一般診療とは異なるトラベルクリニックの仕事

トラベルクリニックは旅行者のための診療科であり、海外渡航前後の健康診断やワクチン接種、海外での就職・留学のための英文で書かれた診断書や証明書の作成、予防薬の処方などを行っています。ほかにも、慢性疾患や障害を持つ方などの旅行サポート、海外の医療情報に関するアドバイスなど、旅行者が海外で滞在中に必要な健康上のあらゆるものを提供する総合診療科といえるでしょう。

トラベルクリニックにやって来る患者のほとんどが病気ではないため、提供する看護も一般診療の看護とは異なります。ただ、健康診断で必要となる採血や心電図など検査の介助、ワクチン接種のための注射の技術などは一般的な看護と同様です。
最も異なるところは、海外に提出する診断書や証明書は英語や中国語で書かれているため、それを読解できるだけのスキルが必要という点です。また、海外に渡航する方に国ごとに注意すべき感染症や予防法などを適切に伝える力や国際感覚など、確かな知識が必要とされます。
以上のことからトラベルクリニックの看護師になるためには、看護の経験の他に少なくとも英語の読解力と確かな国際感覚が重視されることがわかります。

トラベルクリニックは年度始めに就職や留学をする方が多いためこの時期が最も多忙ですが、多くのクリニックが予約制を取っているため、残業や夜勤のない所が多いようです。そのため、プライベートの時間を計画的に使うことができるという点でも一般診療の看護とは違うといえるでしょう。